各種心理検査の紹介

その人の抱えるお悩みや問題についての理解を深めるために、お話をするだけではなく心理検査を用いることがお役にたつ場合もあります。これまでたくさんの心理検査が開発されていますが、それらは大きく、質問紙法、投影法、知能検査に分けることができます。それぞれの検査が測定できる範囲には限界があるので、いくつかの検査を組み合わせることで、より立体的なその人の理解を得ようとすることが多いです。ここでは、それぞれの検査法の大まかな特徴と、代表的な検査についてご紹介します。


質問紙法検査

いくつもの質問が並んでいて、それぞれの質問に対して「1. まったく当てはまらない」「2. 当てはまらない」「3. やや当てはまる」「4. 非常に当てはまる」などの選択肢から回答するような形式の検査です。検査結果は多くの場合、数字やグラフのような量的な指標で示されます。検査時間が短く実施しやすい、結果がわかりやすいという利点があります。

例えば、、

・東大式エゴグラム(TEG)

 アメリカの精神科医エリック・バーンが創始した交流分析理論に基づいて、その人の性格特性と行動パターンを見るための検査です。結果は5つのこころの状態(自我状態)の強さを棒グラフで表します。

・ミネソタ多面人格目録(MMPI)

 精神医学的な診断と性格特徴の記述を目的に開発された検査で、世界的に広く用いられている検査です。550の質問項目に回答するため比較的多くの時間を要しますが、10種類の観点から精神状態を把握するとともに、回答に歪みがないかどうかも厳密に測定することができます。


投影法検査

図形や視覚イメージなどの曖昧な刺激を提示して、その刺激をどう知覚するか、刺激にどう反応するかを調べることで、その人の性格やこころの状態を把握するための伝統的な検査です。課題に応えるためには、自身の記憶やこころの中のイメージを用いる必要があるため、その回答にはその人の内面が投影(反映)されると考えられています。この投影法検査は、回答を意図的に操作しづらく、被検者自身も気づいていない特徴が浮かび上がるという利点があります。

 例えば、、

・ロールシャッハテスト

 被検者はインクの染みが描かれたカードを眺めて、それが何に見えるかを答える性格検査です。その人が物事をどのように知覚して考えを発展させるのか、どのような場面に苦痛を感じるのか、その苦痛にどう対処しているのかなどを知ることができます。

・描画テスト

 3枚の紙に家、気、人を描いてもらったり(HPTテスト)、川や山をはじめとした風景を描いてもらったりします(風景構成法)。絵の上手さではなく、絵の内容や描かれ方の特徴からその人の性格特徴について解釈します。

・文章完成法(SCT)

 文章の書きだしだけを見て、未完成の文章の続きを埋めてもらう性格検査です。記入の形式や記載された内容をもとにその人の性格特徴や対人関係などを解釈します。


知能検査

 名前の通り、その人の知的な能力について調べるための検査です。多くの検査は同じ年齢の平均と比較することで、自分がどれくらいの位置にあるのかを調べることと、その人の得意なものは何か、苦手なものは何かを調べることができます。対象者の年齢や測定したい能力に応じて様々な検査が開発されています。

例えば、、

・ウェクスラー式成人知能検査

 世界中に普及し、日本でも最も広く使用されている成人を対象とした知能検査です。16歳~89歳までを対象に知能を測定することができます。知能を「目的に合わせて行動し、合理的に考え、効率的に環境に対処する能力の集合体」と捉え、被検者に質の異なる様々な課題に取り組んでいただきます。結果は全体のIQ値と、4つの知的側面(群指数)の値によって表され、その数値の大きさやばらつきから、その人の知能の特徴を知ろうとします。


当オフィスで実施可能な検査

ウェクスラー式成人知能検査(知能検査・発達検査)